鍼灸用の鍼といっても色々な太さ・長さ・形・素材があるのをご存知でしょうか?先ずは和鍼といわれる日本製。昔は金や銀で出来た素材の鍼が一般的でしたが、現在では衛生面や耐久性の観点から、滅菌されたステンレス製の単回使用の使い捨て鍼が一般的になりました。
太さで言うと、0.12mm・0.14mm・0.16mm・0.18mm・0.20mm・0.25mmが一般的でどこの鍼灸院でもストックされている鍼だと思います。長さも色々ありまして、美容鍼などで顔によくに使用されるのは、15mmからなどで、身体用ですと、長さ30mm〜60mm(90mmなども)などがあります。因みに長さ30mmの鍼を使用したからといって、全部刺すわけでは御座いません。長い鍼を使っていても数ミリしか刺さない場合も御座いますし、3分の2、または半分程度の長さまでに留めるのが一般的です。
また、日本の鍼の特徴を一言で述べるなら、「細い」ということ。比べて、中国鍼はそれよりも太いです。当然、痛みの少なさでいうならば細い鍼のほうが、刺入時の刺激量も少なくすみます。
現在は多くの鍼灸院(ほとんどと言っても過言ではないでしょう)が、ステンレス製の使い捨て鍼を使用しております。昔は金や銀で出来た鍼が使われておりましたが、金や銀で出来た鍼は、とても柔らかく、その分、刺激もマイルドでした。デメリットとしては素材が柔らかいので刺すのに少々テクニックがいるということや、使い捨てタイプではないので、滅菌消毒器で滅菌して複数回使用するため、だんだん磨耗してくること、衛生面の不安から使用を拒むという人も出てきたようです。(これについては鍼灸院によっては、MY鍼として購入・保管し、他人とは共用しないよう配慮されている鍼灸院もあるようです)
現在、多くの鍼灸師が使う鍼は使う捨てのステンレス製で、上記の鍼と比べると、幾分固めの素材で張りますが、使い勝手が良い・錆びにくい・折れにくい・安価であるため支持されております。 また最近では鍼灸メーカーさんの努力により、先端が少し丸くなった鍼というんも発売されております。刺鍼時の痛みを少しでもなくそうと創意工夫されており頭が下がります。
通常の施術で使用する鍼は、毫鍼(ごうしん)と呼ばれる針金状のものです。鍼頭(しんとう)・鍼体(しんたい)と呼ばれる部位があり、鍼頭は鍼灸師が手で持つところ、鍼体は体に刺す部分です。それ以外に比較的多く使われるものとして、円皮鍼というものがあります。
これは円形のシールの中央部分に極短い鍼が付いているもの。鍼の長さは、0.3mm〜0.15mmが一般的です。円皮鍼の鍼の長さでは、筋肉までは届かないので、どちらかというと、圧痛点やツボ部分にペタっと張るという感じで使用します。当院ではあまり用いることはないですが、ご希望があれば、一通りの施術が終わった後に、ポイントに張って帰宅してもらったりと言うこともあります。シール状で直ぐには剥がれないので、その日1日くらい張りっぱなしでも大丈夫です。一般の方やスポーツ選手も結構愛用者は多いようです。しかし、あくまで鍼ですので、医師や鍼灸師などしか他者への使用は出来ません。最近はドラッグストアでも丸いシール上の物が売られてますが、あれには鍼は付いておらず、丸い突起がツボを刺激するというものです。
その他にも、てい鍼という刺さない鍼(ツボを棒状のもので圧して刺激を加える)があったり、そのほかにも色々な鍼があります。 因みに当院では、一番最初に出てきた毫鍼(ごうしん)というものの、日本製の使い捨て鍼を使用しております。たまに円皮鍼も使用します。
当院ではその他にもいくつかの鍼灸用品を施術に用いますが、鍼や鍼を置くシャーレ、消毒用品も全て使い捨てです。そして基本的に鍼は単回使用ですので、当然その方にしか使いませんので、感染の心配も御座いません。使用済みの鍼は医療廃棄物として専門業者に廃棄してもらいます。